漢方薬としての蜂の子

滋養強壮、肉体疲労回復、体の調子を整える効果を発揮してくれる蜂の子は、貴重なタンパク源としてだけではなく、漢方薬としても親しまれています。
一般的に販売されている蜂の子の多くは、サプリメントとして加工されたものです。

それらは、漢方薬とは何が違うのでしょうか?
そもそも、漢方薬とはどういったもので、サプリメントとは何が違うのでしょうか?

日本独自の医学として発展してきた漢方薬。
蜂の子がその漢方薬としてどのように効果・効能を発揮してくれるのか、皆さんにご紹介させて頂きます。

伝統中国医学から学んだ漢方医学

そもそもですが、漢方薬は漢方医学にのっとって考えられた医学です。
伝統中国医学とは、体全体の調子を整えることで、結果的に病気を治す医学として、現代に伝えられている歴史ある医学です。
その医学からヒントを得て、日本独自の医学として発展したのが漢方医学です。

勘違いしてはならないのが、漢方医学が伝統中国医学に反発して出来たものではないと言うことです。
伝統中国医学は、広大な中国大陸の気候や植物の効果・効能を研究する中で大成した医学なのですが、海に囲まれた島国では同じ植物を採取することが出来ず、中国大陸と気候も異なるため、伝統中国医学の知識や技術を発揮することが難しかったと伝えられています。

しかし、その思想は非常に優れていた為、伝統中国医学の考え方に「証(体質)」とういう概念を追加し、「証に随って治療する(随証治療)」を原則とした医学体型を確立したのです。
それを漢方医学と呼び、症状だけを見るのではなく、証(体質)を診断し、その診断に重きを置きます。

伝統中国医学でも重要視されていた蜂の子

世界中で珍重されていた蜂の子は、単純に美味しいからと言うだけではありません。
蜂の子を定期的に摂取することで、健康になれることを知った昔の人々は、その効果・効能を薬として役立てることは出来ないかと、研究していたのです。

その結果、蜂が生息する地域では、必ずと言って良いほど、蜂の恵み(蜂蜜、ローヤルゼリー、プロポリス等)を受けています。
紀元前の時代、古代ギリシャ時代には、すでに職業として「養蜂家」が成立していました。

当然中国でも同様に研究がなされており、約2000年前に編纂された中国最古の薬学書「神農本草経」に「上薬」として記載されています。
上薬とは、安全で副作用のないもので、優れた効果・効能が期待できる薬と伝えられています。

上薬として分類された材料は、不老長寿の効果があるとして珍重されていたそうです。
蜂の子も不老長寿の妙薬として考えられており、継続して摂取することで、その恩恵を受けられると説明されています。

漢方薬は最低でも3ヶ月は続ける

西洋医学の薬とは異なり、漢方薬は、飲んだからといって直ぐに効果が現れるものではありません。
最低でも3ヶ月以上続けないと、効果を実感できないと言われています。

さらに、効果が出てくるタイミングには個人差があり、3ヶ月で感じられる人もいれば、半年続けても効果を感じられず、7ヶ月目に急に効果を感じることが出来たという場合も珍しくありません。

体の調子を整えることで、結果的に病気を治す事を目的としている漢方薬。
蜂の子だけではなく、様々な生薬と一緒に配合されている場合が多いですので、生薬の効果・効能も理解しながら、気長に健康効果が訪れるのを待つのも楽しいのでは無いでしょうか。

結果は1日にしてならず。
長期間かけて体の調子を整え、健康を維持して行きましょう。